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遺留分侵害額請求

遺留分とは?

亡くなられた人は、原則として自分の自由な意思で財産を分配できますが、その結果、相続人の中には財産を全くもらえなかったばかりに生活が困ってしまう人も発生する可能性があります。

そこで、民法上、最低限の財産を相続人に確保する「遺留分」というものがあります。遺留分は、子・配偶者・親にはありますが、兄弟姉妹にはありません。

遺留分の計算方法

遺留分権利者を特定する

兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属(親や祖父母など))

遺留分率

直系尊属(親・祖父母など)のみ・・・・3分の1
それ以外 ・・・・2分の1

具体例

遺留分権利者が配偶者と子2人である場合
配偶者・・・(法定相続分)2分の1×(遺留分率)2分の1 = 4分の1
子2人・・・{(法定相続分)2分の1×2分の1}× (遺留分率)2分の1 = 8分の1

遺留分の基礎となる財産は?

相続開始時に被相続人が持っていた財産(遺贈を含む) + 贈与財産 - 債務(借金)全額 となります。(民法第1029条1項)  
さらに「贈与財産」に関しましては、次のようになります。

  • 「相続人以外の第三者」に対する相続開始前の1年間にしたもの
  • 「相続人」に対する遺贈、婚姻や養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与したもの(無期限)
「2019年7月1日相続法改正」により遺留分算定するための財産に含める生前贈与の範囲が変わります。

原則、第三者が受贈者である場合は、相続開始前の1年間にした贈与・相続人が受贈者である場合は、相続開始前の10年間の贈与に限ります。

<贈与の範囲を変更した背景>
「相続人に対する贈与」を無期限にしてしまうと受遺者及び受贈者にも不測の損害を与えてしまうことと、共同相続人の不公平を是正するというバランスを配慮して、10年間という期限を設けたものと考えられます。

遺留分を侵害した額は?

遺留分侵害額 = 1,2によって算出された遺留分額 - 相続により最終的に相続人が取得した額

遺留分の侵害額を実際に計算してみる。

事案

父 死亡 相続人は 妻A と 子BとCがいます。

父は、生前に妻Aに現金7,000万円を贈与しています。相続開始時点において、父には「2,000万円の財産」と「1,000万円の借金」があります。遺留分の侵害額は?

1.遺留分算定の基礎となる財産を計算する。

相続開始時の財産 + 贈与財産 - 債務(借金)ですから、これをあてはめてみます。
2,000万円 + 7,000万円 - 1,000万円 = 8,000万円

2.相続人各自の遺留分額を計算する。

遺留分算定の基礎となる財産 × 各遺留分権利者の遺留分率(全体の遺留分率に法定相続分を掛けたもの)となります。これをあてはめてみます。
妻A 8,000万円 × (全体の遺留分率)2分の1 × (法定相続分)2分の12,000万円

子B・C 8,000万円 × (全体の遺留分率)2分の1 × (法定相続分)4分の1 = 1,000万円

3.遺留分侵害額を計算する。

遺留分侵害額 = 遺留分額 - 相続によって最終的に相続人が取得する額 ですから、これをあてはめてみます。
相続によって最終的に相続人が取得する額を計算しますと、
妻A {2,000万円 × (法定相続分)2分の1} - {1,000万円 × (法定相続分)2分の1}
500万円
子B・C {2,000万円 × (法定相続分)4分の1} - {1,000万円 × (法定相続分)4分の1}
250万円
 
したがって、遺留分侵害額は
妻A 2,000万円 - 500万円 = 1,500万円
子B・C 1,000万円 - 250万円 = 750万円 となります。

遺留分侵害額請求とは?

遺留分があっても、それを主張しなければ侵害された遺留分は戻りません。相続が開始して減殺すべき贈与があったことを知ったときから1年以内あるいは相続開始から10年以内に相手方に請求しなければなりません。これを「遺留分侵害額請求」といいます。

遺留分侵害額請求は通常、配達証明付の内容証明郵便でされることが多いです。相手方が応じない場合、裁判上で遺留分侵害額請求を行うこともできます。

<遺留分侵害額請求の効力>

遺留分を保全するのに必要な限度で遺贈または贈与を失効させて、受遺者または受贈者が取得した権利をその限度で遺留分権利者に帰属させることができます。

2019年7月1日相続法改正により、遺留分減殺請求をすることで、原則として「遺留分侵害額に相当する金銭債権」が発生することとなります。

よって、遺留分相当は現金払いということとより、今後は、下記記載のような「遺留分減殺」をめぐる登記手続きの問題がなくなります。

ただし、現金払いができない場合、相続した不動産を売却して遺留分相当の現金を工面しなければならないなどといった問題も生じることが想定されます。

尚、この場合に、遺留分を侵害したとして金銭請求を受けた受遺者または受贈者が、その金銭の工面を直ちにできない場合は、受遺者または受贈者は、裁判所に対して、金銭債務の全部または一部の支払いにつき期限の許与を求めることができます。

<期限の許与を設けた背景>

金銭請求を受けた受遺者または受贈者が、すぐに金銭を工面できない場合を配慮したものです。

遺留分減殺請求の対象と範囲

遺留分減殺請求の対象となる行為は「遺贈」「贈与」になります。そして、遺贈と贈与の両方がある場合、順序としては第1に「遺贈」、第2に「贈与」という順番で減殺していきます。

減殺するべき遺贈が複数ある場合は、全部の遺贈についてその価格の割合に応じて減殺します。

一方、減殺するべき贈与が複数ある場合は、最新の贈与から減殺していかなければなりません。

遺留分減殺請求に関連する登記手続き
(令和元年7月1日以前の相続)

1.遺留分減殺請求をする前に、既に遺言に基づく遺贈もしくは贈与の登記がされているケース

⇒遺留分減殺請求をした者を「登記権利者」・受遺者もしくは受贈者を「登記義務者」として共同申請で「年月日(日付は遺留分減殺請求の意思表示をした日)遺留分減殺」を原因として所有権移転(もしくは所有権一部移転)登記をします。

ただし、遺留分減殺請求の訴えをおこして判決が出たときは、その確定判決により原告(遺留分減殺請求をした者)が単独申請「年月日(日付は訴状送達の日)遺留分減殺」を原因として所有権移転(もしくは所有権一部移転)登記ができます。

尚、相続登記後も遺留分減殺請求を原因とした所有権移転登記は可能です。(登研382・79)

また、農地について遺留分減殺請求をした場合、農地法の許可は不要です。(登研233号P72質疑応答)

⇒相続による移転の場合、農地法の許可は不要ですが、遺留分減殺についても相続に準じて判断してよいという考えです。

【ポイント】2019年相続法改正により、原則として遺留分を侵害した場合は、現金払いとなりますので、令和元年7月1日以降に発生した相続については、従前の遺留分減殺を原因とする所有権移転登記の申請は受理することができなくなります。

共同申請の場合の必要書類
  • 登記原因証明情報
  • 登記義務者の権利証(登記識別情報)
  • 登記義務者の印鑑証明書(3カ月内)
  • 登記権利者の住民票(マイナンバーの記載のないもの)
  • 亡くなった方(被相続人)と登記権利者の相続関係が分かる戸籍謄本など

2.遺言に基づく遺贈の登記がまだされていない段階で遺留分減殺請求をしたケース

「年月日相続」を原因として、被相続人から遺留分減殺請求をした者に所有権移転登記をします。

【ポイント】2019年相続法改正により、原則として遺留分を侵害した場合は、現金払いとなりますので、令和元年7月1日以降に発生した相続については、従前の遺留分減殺を原因とする所有権移転登記の申請は受理することができなくなります。

実際の御相談事例

Q.遺留分減殺請求をして相続不動産について所有権一部移転登記を行いましたが、その後、相続人間で話し合いがまとまったので、遺留分減殺請求を撤回(取消)して所有権一部移転登記を抹消したいのですが、可能でしょうか?

A.遺留分減殺請求を原因とする所有権一部移転登記を「遺留分減殺請求撤回(取消)」もしくは「和解」等の後発的な原因によって抹消することはできません。(平成12・3・10民三708)

この場合は、「共有物分割」・「売買」・「贈与」・「持分放棄」等の原因による所有権一部移転登記をして名義を変更することとなります。

遺留分の放棄

相続開始後の遺留分の放棄

遺留分は、遺留分を持っている相続人を保護するための権利ですから、その相続人が「いらない。」と言えば放棄できます。

遺留分を放棄する方法も特に限定はありません。遺留分を侵害している相続人や受贈者などに放棄するという意思表示をすればいいのです。 

相続開始前の遺留分の放棄

相続開始前に遺留分を放棄する時は制限があります。これは、周りからの圧力で放棄をしてしまったり、全く状況が分からずに放棄することを防ぐためです。

<ポイント>

  • 1
    申立人の自由な意思に基づいているかどうか(強要された放棄申立は認められません。)
  • 2
    放棄をする理由に正当性があるかどうか(収入があって生活が安定しているため、相続する意思がないなど・・)
  • 3
    放棄するに際して何らかの代償があったかどうか(放棄する前に相当な財産の贈与があったなど・・)

相続開始前に遺留分を放棄するには、「家庭裁判所の許可」が必要となります。(民法第1043条1項)

<相続開始前の遺留分放棄許可申立の手順>
  • 1
    申請書に戸籍謄本を添付して「申立書」を家庭裁判所に申請します。
  • 2
    申請が受理されると、通常、家庭裁判所から「質問状」が送られてきます。質問状の内容としては「遺留分とは、どういう意味か。それを放棄すると、どうなるのか。本当に放棄をする意思があるのか。」などがあります。
  • 3
    「回答書」を家庭裁判所に返送します。
  • 4
    家庭裁判所が確認すると「遺留分放棄の審判」があり、審判書が交付されるのです。
    尚、許可・申立却下のいずれの審判に対しても不服申し立てはできませんので、慎重に検討する必要があります

遺留分放棄の影響

  1. 共同相続人の1人が遺留分を放棄しても、他の共同相続人の遺留分が増えるわけではありません。(民法第1043条2項)
    「遺留分」というのは、遺留分権利者各人にそれぞれ与えられているものだからです。
  2. 遺留分を放棄しても、相続放棄をしたわけではないので「相続人」です。
    よって、遺留分を放棄しても、被相続人の遺言がないかぎり、法定相続分に応じて財産を相続します。

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