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さいたま市で相続登記・遺言書作成は
埼玉遺言相続・遺産相続相談所
<住所>〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂4丁目4番12号501号室
先月、父が亡くなりました。父は、生前に公正証書遺言を作成していたらしく、「全財産を長男に相続させる。」という内容の遺言書が発見されました。ただ、遺言書の作成の日付を見ると、その当時、父は認知症の程度が重く家族の顔さえ判断できないようだったように思います。この遺言書は有効なのでしょうか?
ここで問題となるのは、当然「遺言能力」の問題でしょう。「遺言能力」とは「遺言の内容をきちんと理解できていて、その遺言の内容を実現するとどう影響するか」がポイントになると思います。今回のようなケースは判断が非常に難しいです。遺言能力の有無というのは、ただ単に遺言者の身体的問題だけではなく、遺言者の総財産や遺言の内容を実現する際の難易度等様々な点を考慮に入れなければならないでしょう。
公証人の方が遺言能力があると判断して公正証書遺言を作成していたとしても、他の相続人から「遺言無効確認の訴え」を提起されて、裁判所に公正証書遺言が無効であると判断された事例もございます。
<訂正方法が厳格であること>
自筆証書遺言は、公正証書遺言と比べて費用もかからず、かつ、誰にも知られずに作成することがメリットではありますが、内容が曖昧ですと遺言書全部が無効になる危険性もございます。また、訂正方法も厳格です。
遺言書の訂正は非常に厳格なルールがあり、訂正方法に誤りがあると遺言書全体が「無効」となるおそれがあります。
<訂正方法>
<最高裁平成27年11月20日判決>「自筆証書遺言書に遺言者が故意に斜線を引く行為」は、民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し、遺言を撤回したものとみなされると判示されました。 詳しくは、こちらから |
<自筆であること>
また、ワープロ等ではなく、あくまで自筆でなければなりません。印鑑は実印でなく認印でも構いません。ただし、シャチハタ印はおすすめしません。
<最高裁平成28年6月3日判決>「遺言書の押印を花押(簡略な形に変化させた自署)でした場合は、印章による押印と同視することができず、民法968条1項の要件を満たさないというべきである。」と判示されました。要するに「花押」では遺言書が無効になってしまうこととなります。
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平成31年1月13日から「自筆証書遺言の方式緩和」が施行されます。
⇒従前は、自筆証書遺言の場合、全文の自書を要求されておりましたが、遺言書の利便性を向上させるために「自筆証書遺言に添付する財産目録については、自書でなくてもよい。」こととなりました。
具体例)財産目録をパソコンで作成する。不動産の項目については、不動産の謄本を添付する。預貯金通帳のコピーを添付する。 |
ただし、この場合、遺言者は、財産目録の全頁(自書によらない部分が両面にある場合は両面)に署名・押印をする必要があります。
<当司法書士事務所で御相談のあった事例・受託した事例>
現在、農業を経営しており子供が3人おります。その内、長男が私と一緒に農業を営んでいます。他の子供たちは全く違う職業に就いています。農業を営んでいる長男に農地を相続させるのが理想ですが、どうすればいいですか?
このままですと、相談者の方が亡くなった場合、子供3人がそれぞれ平等に3分の1ずつ相続することになりますが、共有にしてしまうと「農地の有効活用」という面で不都合だと思います。
ポイントとしては、農業を営んでいるご長男1人に農地を相続させる旨の遺言書を作成したほうがいいでしょう。ただ、注意していただきたいのは農地を全部、長男に相続させるとなると他の相続人の遺留分の問題が発生します。ある程度、事前に遺留分を計算した上で他の相続人には土地以外の財産を相続させることで遺留分減殺請求させることを防止することができます。
どちらでも構いませんが、「相続させる」という記載の方が「不動産」であれば登記申請手続の仕方が簡便になります。
相続の場合
特定の不動産を「相続させる」旨の遺言書があれば、その不動産を取得する者(相続人)が単独で「相続」による所有権移転登記ができます。
ただし、例えば、被相続人の子が遺言書作成時及び相続開始時に生存している状況で「孫に相続させる」旨の遺言があった場合、孫は相続人ではないので、「遺贈」と解釈します。(登研480・131)
尚、登記にかかる登録免許税は、不動産評価額の「1000分の4」となります。
<ポイント>2019年7月1日相続法改正により「遺言の効力」が変わります。
(改正前)遺言により、法定相続分を超える遺産分割方法の指定及び相続分の指定は、登記なくして第三者に対抗ができます。(最判平成5年7月9日、最判平成14年6月10日)
(2019年7月1日改正後)
法定相続分を超える部分は、登記をしなければ第三者に対抗することができなくなりました。<新法第899条の2第1項>
遺言の存在を知らなかったり、遺言の内容を知りえない相続債権者や債務者等の利益を害することになり、登記制度や強制執行制度の信頼を害することにもつながるので、そういった取引の安全を保護するために改正されました。
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よって、指定された相続人は、法定相続分を超える部分について対抗要件を備えるためになるべく早めに相続登記を行う必要がございます。
遺贈の場合
特定の不動産を「遺贈する」旨の遺言書があれば、不動産をもらうことになった者を登記権利者・法定相続人全員(遺言執行者がいれば、遺言執行者)を登記義務者として共同で「遺贈」による所有権移転登記をしなければなりません。
この時、権利証、法定相続人全員の実印と印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)(もしくは、遺言執行者の実印と印鑑証明書(3ヶ月以内のもの))が必要となります。
尚、登記にかかる登録免許税は、不動産評価額の「1000分の20」となります。ただし、遺贈を受ける者が相続人の内の1人である場合は、相続人である戸籍謄本関係を添付すれば、不動産評価額の「1000分の4」と低く抑えることが可能です。
自筆証書遺言を作成しました。ただ保管方法がどのようにしたらいいのか分かりません。教えてください。
自筆証書遺言の特徴として、誰にも内容を知られずに一人で作成することができますが、保管方法が厳格ですと死後、誰にも発見されない恐れもありますし、逆にきちんと保管されていないと誰かに生前に見られてしまうこともあります。ポイントとしては、「生前は発見されにくく、死後は発見され、かつ、改ざんなどされないように」です。
では、どうしたらいいかと申しますと、以下のとおり2つの方法が考えられます。
NEW!! 令和2年7月10日施行による相続法改正により「法務局による自筆証書遺言の保管制度」が創設されました。
「法務局による自筆証書遺言の保管制度」とは・・自筆証書遺言作成後、法務局に遺言書を保管してもらえる制度で、遺言者が亡くなった後は、相続人が全国の法務局で「遺言書の有無」や「内容の確認」ができるようになります。この制度を利用した場合、下記に記載されている家庭裁判所の検認手続きが不要となります。
先日、父が亡くなりました。貸金庫から父の自筆証書遺言が見つかったのですが、このあとどうすればいいのでしょうか?
遺言書を発見したら、発見した相続人はすぐに家庭裁判所で、その遺言書を持参して「検認の申立」をしなければなりません。(民法第1004条1項)ただし、公正証書遺言については検認手続は不要です。これは、公証人が関与しているので、遺言書の偽造・変造はないということから不要となっています。
「検認手続」とは、家庭裁判所が相続人に対して遺言の存在と内容を知らせるということと、遺言書の形状や日付など遺言書の内容を明らかにして遺言書の偽造・変造を防ぐための手続です。注意していただきたいのは、あくまで「遺言書の存在」と「遺言書の内容」を家庭裁判所で検証していくのであり、「遺言書の有効・無効」を判断するものではありません。
この「検認手続」をしていない遺言書を使用して不動産の相続登記手続をしようとしても、法務局で受け付けてもらえません。必ず検認手続をしてください。
生前、父親は公証人役場で「公正証書遺言」を作成しておりましたが、後になって別の相続人が父が作成したといって「自筆証書遺言」を持ってきました。はたして、どちらの遺言書が有効なのでしょうか?
遺言書の作成された日付を確認してください。遺言者の死亡した時点に一番近い日付の遺言書が優先します。要するに、遺言者の最終意思を尊重しようという民法上の考え方からです。
ただし、注意していただきたいのは、これはあくまで前の遺言と後の遺言が内容的に重複してしまった場合であって、両方とも内容が重複しないものであれば、2通の遺言書とも有効です。
例えば、最初の遺言書で「A不動産を長男に相続させる」とあり、2番目の遺言書で「B不動産を次男に相続させる」とあれば、作成の日付に関係なく、2つの遺言書は有効です。
父が亡くなって、相続人A・B・C間で「不動産をA・Bが相続する」旨の遺産分割協議を済ませ、AB名義に所有権移転登記も完了しました。しかし、数日たって父の遺言書が見つかり、その遺言書の内容が「不動産をAに相続させる」ということが判明しました。先日話し合った遺産分割協議書は、どうなるのでしょうか?
遺産分割協議後に遺言書が発見された場合、原則として遺産分割協議は「無効」となります。
この場合、相続回復請求権を行使することで遺言の内容の実現を求めることになります。(民法第884条)相続回復請求権は相続権を侵害された事実を知ったときから5年間行わないと時効消滅します。また、相続開始から20年経過した時には権利は消滅します。ご注意ください。
相続回復請求権を行使して話し合いがまとまならければ裁判手続になります。
<話し合いがまとまった場合の登記手続きの方法>
先日、父が亡くなりました。相続人は子供のみ(長男である私を含め兄弟3人)です。父の遺産は自宅の土地・建物のみで、遺言書の中には「長男○○に相続させる。」と書いてありました。しかし、他の兄弟が納得しておらず、「そんな遺言は無効だ。」などと言っています。どうすればいいのでしょうか?
<2019年7月1日相続法改正前>
重要なのは、遺言書の中で特定の不動産を「相続させる。」と記載されてあることです。この「相続させる。」という趣旨に関しては、このような遺言書があっても改めて共同相続人間で遺産分割協議をしなければならないという裁判例も昔はございましたが、現在では「相続させる。」と記載してあれば、遺産分割をしないで被相続人の死亡の時点で直ちに相続人に承継されるという判断を最高裁判所はしています。
よって、今回の御質問のようなケースでも、「長男○○に相続させる。」と遺言書に記載されているので、長男は他の兄弟の関与なく「単独」で相続による所有権移転登記の申請が可能です。
ただし、その後に他の兄弟から「遺留分減殺請求」を行使される可能性があります。
<2019年7月1日相続法改正後>
2019年7月1日相続法改正により「遺言の効力」が変わりました。
<改正前>遺言により、法定相続分を超える遺産分割方法の指定及び相続分の指定は、登記なくして第三者に対抗ができます。(最判平成5年7月9日、最判平成14年6月10日)
<2019年7月1日相続法改正>
・法定相続分を超える部分は、登記をしなければ第三者に対抗することができなくなりました。<新法第899条の2第1項>↓
・遺産分割方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言(特定財産承継遺言)があったときは、遺言執行者は共同相続人が法定相続分を超える部分について対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。<新法第1014条2項>
<相続法改正日である2019年7月1日以降に遺言書が作成されて相続が発生した場合>
「特定の不動産を共同相続人の特定の者に相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)があった場合、相続人もしくは遺言執行者は相続登記を申請して法定相続分を超える部分について第三者に対する対抗要件を備える必要がございます。
父が先月亡くなりました。死後に遺言書が見つかり、その中に遺言執行者が指定されておりました。しかし、その遺言執行者がなかなか遺言書の内容どおりに実行してくれません。どうしたらいいですか?
本サイトの「遺言の執行」の箇所でも記載しましたが、原則として遺言執行者の行為を妨げるようなことを相続人はできません。また、遺言執行者は「遺言書で指定された者」及び「家庭裁判所で選任された者」を問わず、家庭裁判所の干渉は入りません。
ただし、例外があります。今回のケースのように遺言執行者が職務怠慢であるような「正当な理由」がある場合は、相続人その他利害関係人は、家庭裁判所に遺言執行者の解任を請求できます。(民法第1019条1項)この場合、解任の事由を記載した申立書などの必要書類を添付して「遺言執行者解任審判の申立」をします。
実務的になってしまうのですが、今回のようなケースですと、まずはじめに職務をきちんと遂行するように内容証明郵便で催促するなど証拠を残した上で、家庭裁判所へ解任請求するのがよろしいでしょう。
また、逆に、遺言執行者は高齢のためであるとか病気であるとか正当な理由がある場合は、「家庭裁判所の許可」をもらって辞任することができます。(民法第1019条2項)この場合、家庭裁判所へ「遺言執行者辞任許可審判の申立手続」をすることになります。
先日、父が亡くなりました。父の遺言書の中には、ある土地を特定の相続人に「相続させる。」という記載があります。この遺言書に沿って遺言執行者は不動産の相続による所有権移転登記の申請はできますか?
<2019年改正前>
以前は「できる」という見解もあったのですが、お父さんが亡くなると直ちに遺産が特定の相続人に承継されるものという考え方から、相続登記申請は「遺言執行者」からではなく、「相続人」から申請することになります。
<2019年改正後>
遺産分割方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言(特定財産承継遺言)があったときは、遺言執行者は共同相続人が法定相続分を超える部分について対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。<新法第1014条2項>
<相続法改正日である2019年7月1日以降に遺言書が作成されて相続が発生した場合>
「特定の不動産を共同相続人の特定の者に相続させる」旨の遺言(特定財産承継遺言)があった場合、遺言執行者は相続登記を遺言執行として申請ができるようになりました。
私の父が1年前に亡くなり、相続人は私を含め子3人です。内、1人Aが父の遺言書があると言ってきたので、見てみると「全財産をAに相続させる。」という内容となっていました。作成日付を見ると亡くなる半年前になっており、その時点では父は痴呆症であったはずです。到底そのような遺言書は認められませんので、「遺言無効の訴え」をおこしたいと思っています。また、遺言が有効であると判断されても他の相続人には「遺留分」の主張ができると聞いております。具体的にどういう手順をふめばよろしいでしょうか?
まず1つ目は「遺言が無効であるか?」ということで、2つ目は「遺留分減殺請求の消滅時効の問題」です。
(1)遺言が無効であるか?
(2)遺留分減殺請求の消滅時効
今回のケースで言えば、御相談者の遺留分は「6分の1」となります。この遺留分減殺請求は「相続の開始および減殺すべき贈与又は遺贈を知ったときから1年以内」に行使をしないと消滅時効にかかってしまい、権利を行使できなくなります。本件ですと、遺言書の存在を知ったときから消滅時効がスタートすると考えていいでしょう。具体的な遺留分額が分からなくても、遺留分を侵害しているのは間違いないわけですからなるべく早く内容証明郵便で「遺留分減殺請求」されることをおすすめします。
ポイント
「遺言無効確認の訴え」をしたいのだけど、仮に遺言が「有効」であると裁判所で判断されてしまった場合、遺留分減殺請求が消滅時効にかかってしまって遺留分ですら取得できないのではないかと迷われている方は、内容証明郵便で「遺言書は遺言能力を欠くものであり無効であることを第一優先順位として主張し、予備として第二順位で仮に遺言書が有効であると裁判所が判断した場合、遺留分減殺請求権を行使する」という内容の文書を相手に送ればいいでしょう。
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