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遺言Q&A・遺言書作成のポイント

自筆証書遺言の書き方で注意することは何ですか?

内容が曖昧であったり、方式が厳格であるので、不備があると遺言書自体が無効になる危険性もございますので、下記のとおりポイントがございます。

  • 1
    訂正方法が厳格であること

・自筆証書遺言は、公正証書遺言と比べて費用もかからず、かつ、誰にも知られずに作成することがメリットではありますが、内容が曖昧ですと遺言書全部が無効になる危険性もございます。また、訂正方法も厳格です。

・遺言書の訂正は非常に厳格なルールがあり、訂正方法に誤りがあると遺言書全体が「無効」となるおそれがあります。

<訂正方法>

  1. 記載ミスをしてしまったら、その箇所を二重線を引いて削除してください。
  2. 削除後、その箇所に訂正印を押印します。
  3. 訂正箇所の横に正しい文字を記入してください。
  4. 訂正箇所のある行の上のところに「〇〇字削除 〇〇字加入」と記載して、その脇に署名してください。

<最高裁平成27年11月20日判決>

「自筆証書遺言書に遺言者が故意に斜線を引く行為」は、民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し、遺言を撤回したものとみなされると判示されました。

  • 自筆であること

・また、ワープロ等ではなく、あくまで自筆でなければなりません。印鑑は実印でなく認印でも構いません。ただし、シャチハタ印はおすすめしません。

平成31年1月13日から「自筆証書遺言の方式緩和」が施行されました。

⇒従前は、自筆証書遺言の場合、全文の自書を要求されておりましたが、遺言書の利便性を向上させるために「自筆証書遺言に添付する財産目録については、自書でなくてもよい。」こととなりました。

(具体例)

財産目録をパソコンで作成する。不動産の項目については、不動産の謄本を添付する。預貯金通帳のコピーを添付する。

  • 当事務所での受託事例

(1)「自宅の土地・建物を妻○○に相続させる。」
・これは、一見問題がなさそうですが、この遺言書をもとにいざ相続登記をやろうとする時に「土地・建物の所在」が分からないので登記手続が円滑に進まない危険性があります。不動産の全部事項証明書の記載どおりに書くことをおすすめします。

(記載例)

土地の場合「所在・地番・地目・地積」を記載する。

建物の場合、 「所在・家屋番号・種類・構造・床面積」を記載する。

預貯金口座の場合、「銀行名・支店名・口座の種類(普通か定期など)・口座名義人」を記載する。

(2)「○○の建物を息子○○に管理させる。(まかせる。)」 

・「管理させる。」もしくは「まかせる。」という表現ですと所有権を譲渡させるという意味なのか、ただ貸すだけなのか分かりません。

所有権を譲渡させるのであれば、「相続させる。」もしくは「遺贈させる。」と明確に記載することをおすすめします。

(3)「私の財産を相続人で公平に分けること。」
・この表現では、具体的にどういう財産をどう分けたいのかが分かりません。どの財産を誰に相続させたいのかを明確に記載してください。

(4)遺言執行者(遺言書の内容どおりに実行する人)は予め遺言書の中で決めておく。

・予め遺言執行者を決めておいた方が、相続発生後にスムーズに相続手続きを進めることができます。「遺言執行手続き」について詳しくお知りになりたい方は、こちらから

(5)作成日付を「平成20年10月」もしくは「平成20年10月吉日」 とせず、明確に日付を記載する。
・この表現ですと、日付が特定できません。はっきりと平成○年○月○日と記載してください。

 

(6)夫婦で共同で遺言書を作成して、「遺言者 ○○ 遺言者○○」と名前を併記しないこと。

・遺言は2人以上が共同で一通の遺言書を作成しても全部が無効となります。別々に作成してください

(7)万が一に備えて予備的遺言も記載すること。

・例えば、「土地(不動産〇〇)を、子であるAに相続させる。」旨の遺言書を作成しても、遺言者が亡くなる前に子Aが死亡した場合は、その遺言書の効力は無くなります。

 よって、仮に子Aに子B(遺言者から見れば孫B)に代襲相続させたいのであれば、「土地(不動産〇〇を、子であるAに相続させる。子Aが遺言者が亡くなる前に亡くなった時は、Aの子Bに相続させる。」と予備的に記載した方がいいです。

(7)不動産(特に居住用不動産や事業用不動産)は、できるだけ共有にしない。

・仮に、遺言書中で「1つの不動産を共有にする」とした場合、下記のとおり問題点が生じます。

①共有名義に相続登記後、相続人が不動産を第三者に売りたくても「共有者全員の同意」が必要となってきますので、1人でも反対すれば売れなくなってしまいます。そして、この状況が長く続くと元々の共有者に相続が発生して更に相続人が共有者となるなど、どんどん権利関係が複雑となってますます不動産が売れなくなってしまうことが考えられます。

②共有者の内の1人でも認知症になる等御判断ができなくなってしまうと、家裁に「後見申立」を行って後見人を就けてからでないと不動産の処分ができません。(また、後見人選任後も不動産を処分するには事前に家裁の許可が必要なケースもあり、なかなか自由に処分ができなくなります。)

・よって、遺言書を作成するに際して、1つの不動産(特に居住用不動産や事業用不動産)を共有にしないことをおすすめします。

  • 「共有不動産である場合の対策」について詳しくお知りになりたい方は、こちらから⇒

(8)他の相続人の遺留分(相続人の最低限の持分)を配慮する。

・遺留分を考慮しないと、相続後に他の相続人から遺留分侵害額請求をされるリスクがあるので、遺言書を作成される段階で、遺留分を配慮した内容で作成されることをおすすめします。

(9)付言事項(どういった考えで、遺言書を作成するに至ったのか)を記載すること

・付言事項自体に法的な効力はありませんが、今後の相続人間のトラブルを避けるために遺言者の考えを記載するケースが多いです。

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